(1)はじめに
世界人権宣言では、人権の尊重が平和の基礎であるとの認識のもと、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である」と宣言している。わが国では、日本国憲法施行後基本的人権の享有を保障するため、人権に関する施策が講じられてきた。また、教育基本法に基づき、人格の形成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者を育成する教育が、学校、家庭、地域のあらゆる場で推進されてきている。学校教育における人権教育は、教育活動全体を通して行い、児童生徒が社会生活を営む上で必要な知識・技能や態度を身に付けることで人権尊重の精神を養っていくものとする。
本校では、一人一人の違いを尊重しつつ、自ら学び自ら考える力や豊かな心などの「生きる力」を育む中で、人権に関する知的理解(知識的側面)を深め、いのちを大切にすることや、自分の大切さとともに他の人の大切さも認める人権感覚(価値的・態度的側面、技能的側面)をバランスよく身に付けるべく、教育活動全体を通して日常的に取り組んでいく。
そのため、教職員は、人権が尊重される環境づくりに努めるとともに、児童生徒の実態を十分に把握し、一人一人を大切にした教育を実践し、互いのよさや可能性が発揮できるよう、学習活動の中で取り組んでいく。また、人権尊重の精神を生活の中で生かせるよう、教職員の共通理解のもと、発達段階に応じ教育活動全体を通して計画的な指導を行う。授業においては、『授業づくりのためのチェックリスト』を活用し、日頃の授業について点検を行い、人権が尊重される学習活動づくりに努めるものとする。
また、人権教育重点目標として、「心身の調和的発達」「自己尊重の感情」「仲間づくり」「コミュニケーションの力」「人権の意義・内容(きまりや約束を守る)」の5つの観点を挙げ、教育活動全体の中で取り組むものとする。また、児童生徒の発達段階やそれぞれの生活の実態に応じて、様々な個別の人権課題(男女平等の問題、子供、高齢者、障害者、同和問題、外国人、拉致問題、感染症等)の学習を取り入れる。
(2)目 標
・自分の大切さとともに他の人の大切さも認める人権感覚を身に付ける。
・身近な人権課題に気付き、人権問題の解決に取り組もうとする態度を育む。
・多様な文化や個人の価値観等を尊重し、伝え合い分かり合うためのコミュニケーションの
能力を高め、問題の解決に取り組むための能力を身に付ける。
人権チェックリスト
平成27年度、「人権が尊重される授業づくり」〜子どもの人権が尊重される授業づくりと教職員の人権意識の向上〜をテーマに研究を行った際、作成された物が「授業づくりのためのチェックリスト」です。
それ以来、人権チェックリストは、授業改善のチェック項目として、また、職員の人権意識向上のために活用されてきました。
一人一人が大切にされるとともに、互いのよさや可能性を発揮できるよう、チェックリストを活用し、日々の授業について点検(項目を読む)を行うことで、人権尊重の視点に立ち、人権が尊重される学習活動づくりを目指しています。
人権チェックリストは、紀北支援学校の特色の一つです。
交流及び共同学習方針
(1)はじめに
共生社会の実現に向けて、交流及び共同学習は、障害の有無に関わらず、共に触れ合い活動することで、社会性を養い、豊かな人間性を育むとともに、互いに尊重し合う大切な機会となり、大きな意義を有する。
本校の児童生徒にとっては、様々な人々と共に助け合って生きていく力となり、積極的な社会 参加につながり、障害のない子供にとっては、障害のある人と関わることで、人々の多様な在 り方を理解し、言葉かけや支援を行うなど、相互に支え合う意識を育むことにつながる。
交流及び共同学習の機会を設けることが、共に尊重し合い、協働して生活していく態度を育 み、各学校の教育活動が活性化されるともに、幅広い体験を得て視野を広げ、豊かな人間形 成につながることを期待する。
また、交流及び共同学習の実施に当たっては、教職員、児童生徒、保護者など関係するも のが取組の意義やねらい等について、十分理解し共通理解をもって進めていくようにする。
児童生徒の発達段階に応じて、居住地校交流、学校間交流、地域交流等を年間計画に位 置づけ、計画的、継続的に取り組む。
(2)目 標
・互いに個性を認め合い、協力し合い、共に生きる気持ちを育てる。
・同年代の友達や地域の人々と関わる中で、経験を広げ、社会性を身に付ける。
・自分のもつ力を様々な集団で発揮する。
各学部交流教育方針
・小学部
・中学部
・高等部
・愛徳分教室